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新内閣が発足 注目すべきは国家公安委員長小此木八郎!?

 

 8月3日に第3次安倍第3次改造内閣が発足した。

 

 2012年に政権に返り咲いた際に任命された麻生財務大臣と菅官房長官は今回も引き続きその任に留まり、その他に、当時大臣に任命されており改造前までは閣外であった林芳正(当時農水大臣)、茂木敏充(当時経産大臣)、小野寺五典(当時防衛大臣)がそれぞれ文科大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)・防衛大臣として戻ってきたことになる。特に林・茂木・小野寺の三人の大臣については、その安定感が評価されており、支持率急落で揺らぐなか、体制を立て直すという意味でも重要な役割を与えられることになりそうだ。

 

 野田聖子総務大臣河野太郎外務大臣に注目が集まるところだが、そんな中で、大きな懸案事項を抱える東京オリンピックパラリンピック競技大会担当の大臣に鈴木俊一衆議院議員が充てられた。この鈴木大臣は安倍総理の遠い親戚。麻生財務大臣安倍総理の遠い親戚であるが、お友達ならぬ、親戚こそ信頼出来るということかもしれない。

 

 他には、一億総活躍担当大臣から厚労大臣に横滑りした加藤勝信衆議院議員安倍総理の信頼が厚い。加藤勝信氏の義父である加藤六月安倍総理の父の安倍晋太郎に信頼された議員として知られ、亡くなった際には葬儀委員長を官房長官時代の安倍総理が務めている。親子二代の信頼関係というのは重く、今回は横滑りで重要なポストの一つである厚労大臣へということになったのではないだろうか。

 

 初入閣は6名。その一人、沖縄及び北方対策担当の江崎鉄磨大臣は安倍総理からの大臣就任要請を一度は固辞して、派閥の長である二階幹事長からたしなめられたとの報道もあるが、この江崎大臣のように入閣待機組と呼ばれる当選5~6回以上で大臣未経験の議員から今回も複数名が選ばれた。

 

その例外と言えるのが当選3回で農水大臣に抜擢された齋藤健衆議院議員である。齋藤氏は元経済産業省の官僚で、埼玉県の副知事を経て、最初の選挙は衆議院千葉7区の補欠選挙で落選。その後、民主党への政権交代があった2009年の総選挙で初当選。この時、自民党の初当選者は、齋藤氏を含めて小泉進次郎氏ら4名。自民党が逆風の中で勝ち残ってきただけあって、問題を起こしているような他の当選回数の少ない議員とはわけが違う。経産省時代、齋藤氏がリクルーティングを担って時期に優秀な学生が多数入省したとの逸話もある。当選後は、環境やエネルギー政策の分野から農水産分野へと活躍する分野を広げ、今回は農水副大臣からの昇格となった。農政についても政策課題は多く、実務能力が極めて高いとされるその手腕に注目したい。

 

その他の初入閣組では、環境省事務次官を務めたことがある中川雅治参議院議員環境大臣に。この事務次官経験者が出身省庁の大臣を務めるというのは極めて例外的なケースである。参議院からは、少子化対策などを担当する内閣府特命担当大臣松山政司氏が登用された。

そして、菅官房長官が秘書を務めていた衆議院議員の小此木彦三郎氏の息子である小此木八郎衆議院議員国家公安委員長に。内閣官房長官など務めた梶山静六氏の息子である梶山弘志衆議院議員が地方創生などを担当する内閣府特命担当大臣に任命された。

 

 このうち、注目したいのは小此木八郎衆議院議員国家公安委員長への就任である。おりしも、カジノの新設をめぐり、政府による方針が提示されたばかりであるが、当然、取締りに当たる警察の元締めである国家公安委員会の重要性は増す。カジノ新設が取沙汰され、先の市長選挙でもそれが争点のひとつとなった横浜市を選挙区とする小此木氏が国家公安委員長になったとなれば、横浜市でのカジノ設置の動きが加速するのではないかとの憶測も働く。小此木氏に国家公安委員長の座を譲った松本純衆議院議員横浜市の臨海部を選挙区とし、二代続いて横浜市を選挙区とする議員の就任は少々きな臭い。

 普段、国家公安委員長は「上がりのポスト」とされ、ベテラン議員で大臣未経験者を大臣にして花道を飾るということに使われることも少なくない。しかし、今回は別の何らかの意思が込められた人事が行われたようだ。目立たないポストということで、その動向が注目されることはないだろうが、この小此木国家公安委員長の動きから目が離せない。

 

安倍首相を支える重鎮らの意向も聞き入れている。国家公安・防災担当相に内定の小此木八郎氏(52)は当選7回で長らく入閣適齢期だったが、ようやくお鉢が回ってきた。その裏には、ある“手打ち”があったといわれる。

「菅官房長官は、小此木氏の父親の小此木彦三郎元通産相の秘書を長らく務め、その彦三郎氏とつながっていたのが横浜の実力者。菅氏とその人物は先の横浜市長選で争点になったカジノ誘致で仲たがいしていたが、小此木氏の閣僚起用で手打ちした形でしょう。横浜へのカジノ誘致が前進したのではないか」(地元市政関係者)

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